渓流を見ながら思うこと・・・NO3

ところで、瀬と淵では水生昆虫の生産力が瀬のが大きいと書きましたが、その理由の一つに フラッシュ効果というものがあるらしいです。
これは、光が水面の波立ちによりチラチラと変化することにより、水底の植物(付着藻類など)が刺激を受け光合成の能力が高まる効果のことだそうで、このフラッシュ効果も当然瀬の方が圧倒的に大きいわけです。
また、シャロムの森の渓流はさらさらと流れ、澄みきっていて水底の石もどちらかというと付着藻類などが少なくきれいだと思います。
じつはこれがシャロムの魚たちにとっては大きな問題なのです。
付着藻類・・・・つまり水底のコケや藻のことです。よく日当たりがよく、水流が安定している河床にはヌルヌルと青茶色の藻が石に付着しています。・・・・これが河川における生態系の一次生産者です。
この生産者の生産力が大きいほど、その上に構築される二次生産者(水生昆虫類)の量が大きくなります。
ところが、これがシャロムでは不思議なほど少ないです。
日本のような山岳渓流における付着藻類は、その急峻な流れと降雨による水量の激しい増減、渓流上の発達した林のため、日光があまり入らないことにより増加することができません。
日本の山岳渓流における二次生産者(水生昆虫類)はその出現種類は多いのですが、現存量は1m2当たり1~2g程の少なさです。その理由の一つがこの付着藻類の生産量の少なさにあります。実際に調査によると、水生昆虫の窒素と炭素の安定同位体比を測定すると、渓畔林の葉のそれに近い値になることから、山岳渓流における水生昆虫の生産力を大きく支えるのが渓畔林であることが推定されます。
しかし、中流域では水温も上昇し、川原が広く、日光も十分入り、流れも緩やかであり、河床には付着藻類が発達しています。当然水生昆虫の餌の供給量も大きくなり、その現存量は1m2当たり5~20g以上になるようです。
ですから、シャロムの場合、やはり瀬に光を入れて光合成を促して付着藻類の生産力を高めることが一番のカギではないかと思います。
そういえば、今年の魚達は皆、プリプリとしてシャロムらしくない素晴らしく太った魚体が多いです。これは昨年の秋に台風が来なかったことが大きく影響していると考えています。
つまり台風のような大水による落ち葉の流出がなかったので、それによる水生昆虫の生産力が高まったのでしょう。
ライズメーカーによるスーパーライズ!などと時々興奮してしまう自分ですが、冷静に自然を見つめてみますと、やはりお日様の力には圧倒的にかないません。
いくらライズメーカーを設置しても、所詮は局部的なもの!たぶんライズメーカーを中心に50mくらいの上、下流が影響を受けるくらいだと思います。
それに比べ、自然の力は本当にすごいものだなあ・・・といつもながら感嘆してしまいます。
ほんとに全ての者達(コケ、水生昆虫、魚、そしてその渓流に関わる人間、ルール)、そして事象(天候、季節・・)は繋がっていて、互いに影響し合っているのですね。
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 渓流を見つめながらそんなことを考える今日この頃です。
  ・・・・・でもやっぱり、小賢しい手をいろいろ考えてしまいます。(^^;)


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渓流を見ながら思うこと・・・NO3 への2件のフィードバック

  1. SAGE愛好会 のコメント:

    よく、真冬に太陽が出ると「ホッ」
    としますよね。
    そんなとき、ふと感じることがあります。
    「もし太陽が無くなったら、人間は殆どが死ぬんだろうな」と
    氷河期を何回も知恵で乗り越えてきた人類の祖先ですから、死滅はしないでしょうけどね。
    いずれはやってくるであろう氷河期は、地球が生態系をリセットして元に戻すことになる・・・なんてことを考えることがある私は変わってますよね。
    氷河期でも、イワナ、ヤマメは生き残ることでしょう。
    よく氷河期の生き残りなんて言われてますからね。
    ほんと、太陽の力ってすごいですよね。

  2. シャロム人 のコメント:

    SAGE愛好会様
    おはようございます。
    て、今頃もしかしてSAGE愛好会様は寝るところだったりして・・・
    ほんとに、お日様、お天道様というだけあって、その力は全ての源ですね。
    暑すぎるもの嫌ですが、今年はどんな夏になるでしょうかね

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