●天然尺ヤマメイワナプロジェクト 現状分析概論編
魚の平均サイズ
シャロムの森の渓流は全長8KM以上、そしてC&Rのおかげでたくさんのヤマメやイワナが泳いでおります。
でも、その平均サイズはやはり20cmくらいになっています。
尺イワナの場所
イワナについては尺上の大物も時折姿を現しますが、やはりヤマメについては大きくても泣尺くらいです。
イワナについては下図の赤丸の中の流域において時々姿を現します
特に左沢の上流部においてはイワナしかおらず、ずいぶん大きな者達が生息し、昨年などすべて尺上イワナ・・・というツワモノのお客様もおりました。
結果として申しますと、イワナのみの棲息地においてはやはり尺上になる可能性が高いようです。
それに対して、イワナ、ヤマメ混生域においてはヤマメのあのすばしこい動きについていけないようで、イワナはじっと・・・・岩魚・・・石のそこに張り付いているようです。
魚の魚数
現在、かなりの魚数が見られますが、逆に言えばこの渓流においてはオーバーストックのようで、餌が欠乏しているようです。
渓畔林とそれをとりまく単純な針葉樹林相による落ち葉の堆積の少なさ
また、渓畔林が高木相になっており(つまり渓流そばの木々が大きなものばかりになっており)春から秋の落葉までのシーズンはかなり暗い渓流になっています。
また、渓流から10m程度には広葉樹が多いのですが、林業地帯でありことより、その外側は単純な林相、スギ、ヒノキの林になっております。
これは、結果として、陸生昆虫類の単純な種類とストックの少なさ、につながっているようです。山の上からの落ち葉の供給も多いとはいえない(現在の日本の渓流を取り巻く森林に比べれば多いかもしれませんが・・・)と思います。
日射と単純な水生昆虫相
日射があたっている場所の方が活性が高く、昆虫類も飛んでいます。
1日を通して日が当たっている場所(渓流)はなく、感覚的には1日のうち2時間くらいが平均日射時間でしょう。
ゆえに、植物プランクトンの発達は遅く、水生昆虫の多くは落ち葉から生まれたエネルギーを元に育っているわけです。
日射が少なく、渓流も季節による水量の増減が大きいので、そこに住む水生昆虫の相は単純化しているように思われいます。
つまり、多くの種類の水生昆虫がいるのではなく、ある特定の種類の昆虫が大量いて、一時期にいっせいにハッチするというような状況である気がします。
簡単な総括
シャロムの森は完全C&Rにしたこと、無放流でいること、渓畔林が高木相であること、渓畔林の外側の林分が針葉樹林の単純な相であること、年間を通じて水量の増減が大きいこと(ボトルネックが存在する)、により魚数が多いが、その結果として餌が欠乏し、魚のサイズが小さくなっていると考えられます。
天然尺ヤマメイワナプロジェクト 現状分析地形編 つづく・・・予定(^^)